「GA4」とは?その基本的な使い方と活用法を解説

「GA4(Google Analytics 4)」は、従来の旧GA(ユニバーサルアナリティクス)から一新されたGoogleが提供するウェブ解析ツールです。
本記事では、GA4の特徴、設定方法、メリットとデメリット、そして事例について詳しく解説します。

 

1. GA4とは?

GA4はGoogleが提供するウェブ解析ツールです。
このツールは、イベントベースのトラッキングとユーザー属性のカスタマイズが可能で、これにより競争の激しいオンラインマーケティングにおいて、戦略を練る上で非常に有用です。

イベントベースのトラッキングの詳細

イベントベースのトラッキングは、ユーザーがサイト内で行う各種のアクション(例:クリック、スクロール、フォームの送信など)を個別に追跡します。
この機能を活用することで、単なるページビュー数やセッション時間といった基本的な指標を超え、ユーザーの具体的な行動や興味を詳細に把握することができます。
例えば、どのCTAボタンが最もクリックされているか、特定のページでの滞在時間が長いか短いかなど、より細かい分析が可能です。

ユーザー属性のカスタマイズの重要性

GA4では、年齢、性別、地域などの基本的なユーザー属性をカスタマイズできます。
このカスタマイズ機能を活用することで、特定のユーザーグループに焦点を当てた分析が可能になります。
例えば、「20代の女性が最も多く商品を購入している」といった具体的な分析が行えるため、ターゲット層に合わせたマーケティング戦略を練る際の精度を高めることができます。
これにより、広告の効果を最大化するための戦略や、新たなターゲット層の発見などが容易になります。

 

2. GA4と旧GAの違い

GA4と旧GAは、Googleが提供するウェブ解析ツールですが、その機能とアプローチには顕著な違いがあります。

セッションベースとイベントベースの収集方法の違い

旧GAはセッションベースのデータ収集を主としています。
セッションベースとは、ユーザーがウェブサイトを訪れてから退出するまでの一連の行動を一つのセッションとして捉える方法です。
これに対し、GA4はイベントベースのデータ収集が主流です。
イベントベースのデータ収集は、ユーザーがウェブサイト内で行う各種アクション(例:クリック、スクロール、フォームの送信など)を個々に捉え、それぞれを独立したイベントとして分析する方法です。
この違いにより、GA4はユーザーの行動をより詳細に解析でき、例えば、特定のボタンがどれだけクリックされたか、特定のページでの滞在時間がどれだけかといった具体的な指標を得ることができます。

プライバシー対応の進化

GA4では、プライバシーに対する対応が強化されています。
具体的には、ユーザーが明示的に同意しない限り、個人を特定するようなデータは収集されません。
この機能は、GDPR(一般データ保護規則)やCCPA(カリフォルニア消費者プライバシー法)など、各国で強化されるプライバシー保護規制に対応するためのものです。
この進化により、企業はユーザーのプライバシーを尊重しながら、効果的なデータ分析を行うことが可能になります。
特にユーザーの地域や年齢に応じて異なるプライバシー規制に対応する必要がある多国籍企業にとっては、この機能は非常に有用です。

 

3. GA4の設定方法

GA4の設定は、特に初めてのユーザーには多少の挑戦が伴うかもしれません。設定プロセスは大きく3つのステップに分かれます。

Google Analyticsアカウントの作成

Google Analyticsのアカウント作成は初めてのステップであり、Googleのメールアドレスが必要です。
アカウント作成ページにアクセスし、必要な情報を入力するだけです。このアカウントは、GA4だけでなく旧GAなど、他のGoogle Analyticsのサービスにも使用できます。
アカウント作成後、プロパティを作成するオプションが表示されます。ここでGA4を選択することで、次のステップに進むことができます。

トラッキングコードの設置

トラッキングコードの設置は、ウェブサイトのHTMLに直接挿入するか、CMS(コンテンツマネジメントシステム)やタグマネジメントツールを使用して行います。
このコードが正確に設置されることで、ウェブサイトのユーザー行動やトラフィックデータがGA4に送信され、分析が可能になります。
トラッキングコードの設置には注意が必要で、誤った設置が行われるとデータの不整合が生じる可能性があります。
特にJavaScriptを使用している場合、コードが他のスクリプトと干渉しないように注意が必要です。
また、CMSやタグマネジメントツールを使用する場合は、それぞれのプラットフォームに合わせた設置方法が必要です。このステップが完了すると、GA4はウェブサイトのデータを収集し始めます。

 

4. GA4のデメリットについて

GA4は、その高度な機能により多くのメリットを提供する一方で、いくつかのデメリットも存在します。特に初期設定の複雑性や旧GAとのデータモデルの違いが挙げられます。

初期設定の複雑性

GA4の初期設定は多くの項目があり、特に初めてのユーザーにとっては時間と労力が必要です。
プロパティの設定、トラッキングコードの設置、各種イベントの設定など、多くのステップが必要です。この複雑性は、特にGA4が初めてのユーザーにとっては、一定の学習曲線が必要とされる場合があります。この学習曲線は、特に小規模なビジネスやリソースが限られた状況では、導入の障壁となる可能性があります。

UAとのデータモデルの違い

GA4と旧GA)は、データモデルが基本的に異なります。
旧GAは主にセッションベースでデータを収集していましたが、GA4はイベントベースでのデータ収集が主流です。
この違いにより、既存の分析手法やレポートがそのまま適用できない場面も少なくありません。特に、旧GAからGA4への移行を考えている企業にとっては、このデータモデルの違いは大きな課題となる可能性があります。

 

5. どのようなビジネスに適用可能か

GA4は、その多機能性と柔軟性により、多くのビジネスモデルに適用可能です。
Eコマースからコンテンツマーケティング、さらにはSaaSビジネスまで、多くの企業がGA4の導入を検討しています。

EコマースにおけるGA4の活用

Eコマースビジネスでは、GA4の高度な分析機能が多くの企業に活用されています。
特に購買行動やユーザーの流入経路、カート放棄率などを詳細に分析することが可能です。
これにより、売上向上のための戦略を練る際に、より具体的なデータに基づいて行動できます。例えば、カート放棄率が高い場合、GA4を用いてその原因を特定し、チェックアウトプロセスの改善を行うことができます。

SaaSビジネスとGA4

SaaSビジネスでは、GA4のイベントトラッキング機能を活用して、ユーザーがどの機能をよく使用しているのか、どのプランに最も多くのユーザーが登録しているのかなどを分析できます。
この情報は、プロダクトの改善や新機能の開発に直結する貴重なデータとなります。
具体的には、特定の機能が頻繁に使用されている場合、その機能をさらに強化する開発方針を採ることができます。また、どのプランが人気なのかを知ることで、プライシング戦略の見直しも行えます。

 

まとめ

GA4は、従来の旧GA(ユニバーサルアナリティクス)に比べて多くの新機能とメリットを持っています。
その反面、初期設定が複雑であり、既存の分析手法がそのまま適用できない場面もあります。
しかし、その高度な分析能力は、今後のウェブ解析において避けて通れない存在となるでしょう。