「KGI」とは?経営戦略のキモになる重要指標を解説

企業の経営戦略や目標設定において「KGI」は重要な役割を果たしています。

そんなKGIの具体的な意味、その重要性、設定方法、そして関連する指標との違いについて、本記事で詳しく解説します!

 

1. KGIとは?

「KGI(Key Goal Indicator)」は、「重要目標達成指標」と訳されるもので、企業が設定する最終的な定量目標を明確に示すための指標として用いられます。

企業が事業活動を通じて達成したい具体的な数値目標を示すもので、これにより経営者や従業員は目標に向かっての取り組みを明確にすることができます。

KGIの役割

KGIは、企業の長期的な戦略やビジョンを実現するためのステップとしての役割を果たします。

それは、具体的な数値目標を設定することで、組織全体が同じ方向性を持って取り組むことができるからです。また、定期的なKGIの達成状況の確認を行うことで、必要な改善策や新たな戦略を考えるきっかけともなります。

 

2. KGIの効果的な設定方法とそのポイント

KGIを設定する際の一つの有効な手法として、SMARTモデルが挙げられます。このモデルは、目標を具体的かつ達成可能なものとして設定するためのフレームワークとして広く知られています。

SMARTモデルの各要素の詳細

SMARTモデルは明確性、計量性、現実性、結果指向、適時性という5つの要素が基になっています。

明確性

目標が具体的であることを意味します。例えば、「売上を増やす」という抽象的な目標よりも、「売上を10%増加させる」という具体的な目標を設定します。

計量性

目標の進捗や達成度を数値で示すことができるようにします。これにより、目標の達成状況を明確に把握することができます。

現実性

実際に達成可能な目標を設定します。現実離れした目標は、達成が難しくなり、モチベーションの低下を招く可能性があります。

結果指向

最終的な成果に焦点を当て、プロセスよりも結果を重視する目標を設定します。

適時性

目標には期限を設け、その期限までに達成することを目指します。期限を持つことで、目標に対する緊急性や優先度が明確になります。

具体的なKGIの設定例

実際にKGIを設定する場合、どういった形にするのが良いかまだイメージがつかない方もいるはずです。
例えばある企業がKGIを設定すると仮定して、その目標は「2023年度末にオンライン販売の売上を前年比20%増加させる」という形がわかりやすいと思います。
まずこの目標は明確性を持ちつつ「オンライン販売の売上を前年比20%増加させる」という具体的な内容を示しています。
さらに、計量性も確保されており「20%増加」という数値を通じて達成状況を確認することができます。
また、この目標は前年のデータや市場の動向を基にして設定されており、現実性があり20%の増加が現実的に達成可能と判断されています。
そして、結果指向的に売上の増加という最終的な成果に焦点を当て、適時性も確保して「2023年度末」という明確な期限を持っています。

 

3. KGIとその関連指標

KGIは企業の最終的な目標達成を示す指標であり、その達成に向けての進捗や具体的なアクションを示す関連指標として、KPIやOKRが存在します。

KPIの役割と特徴

「KPI(Key Performance Indicator)」は「重要業績評価指標」と訳されます。

KPIは、KGIの達成に向けての具体的な進捗や活動を数値化したもので、中期的な目標達成のための指標として設定されます。

例えば、オンライン販売の売上増加を目指す場合、月ごとの売上増加率や訪問者数、コンバージョン率などがKPIとして設定されることが考えられます。

OKRとの関連性

「OKR(Objectives and Key Results)」は、目標と主要な結果を示すものです。
OKRは、KGIやKPIとは異なり、短期的な目標やタスクの達成を重視するフレームワークとして用いられます。KGIやKPIが長期的・中期的な目標を示すのに対し、OKRは四半期ごとなどの短期間での目標達成を目指すためのものとして位置づけられています。

 

4. KGI設定の課題とその克服方法

KGIの設定は、多くの企業にとって難しい課題となっています。
特に、予測困難な市場の変動や外部環境の変化が起こる現代ビジネスの風景では、一度設定した目標が達成困難となることが少なくありません。このような状況を乗り越えるためには、柔軟な思考と戦略の見直しの機会を持つことが重要です。

外部環境の変化への対応

外部環境の変化、特に予期せぬ出来事や危機には迅速に対応する必要があります。
新型ウイルスの影響で売上が大きく落ち込んだ場合、単に収益を回復させるための短期的な対策だけでなく、中長期的な戦略の見直しや新たなビジネスモデルの検討が求められるでしょう。
また、KGIの達成状況を定期的に評価し、必要に応じて見直すことで、目標の現実性を保ちつつ、組織の方向性を維持することができます。このプロセスには、経営層だけでなく、従業員や関係者の意見やフィードバックを取り入れることが有効です。

 

5. KGI活用の成功の秘訣

KGIの効果的な活用は、単に数値目標を設定するだけではなく、組織全体でその意義や目標を深く理解し、共有することが不可欠です。
この共有のプロセスは、組織の結束を強化し、目標達成に向けた一体感を生む要素となります。

全従業員の参加と理解の促進

経営層だけでなく、全従業員がKGIの意義を理解し、それに基づいて日々の業務を進めることが、KGIの活用を成功させる鍵となります。
従業員一人ひとりが自らの役割や業務の成果が組織全体の目標達成にどのように寄与するのかを認識することで、より高いモチベーションで業務に取り組むことが期待されます。

定期的なコミュニケーションの場の設定

ある企業では、月次のミーティングを設けてKGIの進捗状況を共有し、意見交換を行う取り組みを実施しています。
このような定期的なコミュニケーションの場を設けることで、組織内の情報の透明性が向上し、従業員間の連携や協力の機会も増えるでしょう。

 

まとめ

デジタルトランスフォーメーションやAI技術の進化に伴い、KGIの分析や設定の方法は進化し続けています。具体的には、AIを駆使してKGIの進捗をリアルタイムで評価し、適切な対策を自動的に提案するシステムが導入されているのです。
KGIは、企業の目標達成や経営戦略の策定における中心的な役割を果たします。この指標の設定や関連性、そしてその活用法を適切に理解し適用することで、企業はさらなる成長を目指すことが可能となります。