「UCG」とは?強力なコミュニティを生み出すコンテンツの利点とその課題

デジタルマーケティングの世界は日々変化し、新たな手法が生まれ続けています。
その中で、近年注目を浴びているのが「ユーザー生成コンテンツ」、通称「UGC」です。ブランドやサービスが提供する一方的な情報よりも、実際に商品を使用したりサービスを体験したりしたユーザーからの声や感想が重視される時代へとシフトしているのです。
本記事ではそんなUGCの基礎から実用例まで解説します!

 

1. UGC(ユーザー生成コンテンツ)とは?

「UGC(User Generated Content)」とは、ユーザー自身が自発的に作成し、公開したコンテンツのことを意味します。
この種のコンテンツは、ブログ記事、レビュー、ソーシャルメディアの投稿、動画など多岐にわたります。

UGCの具体的な事例

ユーザー生成コンテンツ(UGC)の活用例として最も有名なのが、アクションカメラブランド「GoPro」でしょう。
GoProはユーザーから送られてくる冒険やスポーツの映像を効果的に活用しています。
ユーザーは自分たちのアクティビティを記録した映像をGoProに送り、その中から選ばれたものが公式サイトやSNSで公開されます。これにより、GoProはその製品の高性能さを直接見せるだけでなく、ユーザーとのつながりを強化し、ブランドの認知度を向上させています。

UGCが生み出す価値

UGCは、単なる消費者から価値あるコンテンツクリエーターへと役割を拡大させることができます。
また、UGCは一般的に他の消費者からの高い信頼性を享受します。なぜなら、UGCはその商品やサービスを実際に利用した経験から生まれるものだからです。
この信頼性は、ブランドから直接発信されるマーケティングメッセージにはない、非常に強力な説得力を持っています。

 

2. UGCが消費行動に与える影響

UGCの最大の効果は、信頼性の高い情報を提供できる点にあります。一般的に消費者は、商品やサービスを実際に使用した他のユーザーのフィードバックや評価を非常に重視します。

消費者行動に対するUGCの影響

例えば、eコマースサイトであるAmazonでは、商品のレビューや評価が消費者の購買行動に大きな影響を及ぼしています。
消費者は商品を購入する前に他のユーザーのレビューを確認し、その情報に基づいて購入決定を行います。これは、ブランド自体から提供される広告や情報よりも、実際の使用者の生の声が信頼性が高いと感じられるためです。

UGCの効果を最大化する要素

また、UGCの効果を最大化するためには、その掲載方法も重要です。
一部の企業では、UGCをウェブサイトやソーシャルメディアなどの主要なコンテンツの一部として積極的に活用しています。
これにより、一見しただけではわからない商品の詳細や使用感など、リアルな使用体験を共有することが可能となります。その結果、消費者の商品に対する理解を深め、購買を促進することができます。

 

3. 実際の企業から学ぶその活用と効果

ユーザー生成コンテンツ(UGC)を上手く活用したマーケティング戦略は、ブランドの認知度向上や新たな顧客獲得につながる力強い手法となり得ます。

コカ・コーラの「Share a Coke」キャンペーン

Coca-Colaの「Share a Coke」キャンペーンは、その成功例として特に知られています。
このキャンペーンでは、消費者の名前が書かれたコカ・コーラのボトルを見つけた人々がその写真をSNSに投稿するというシンプルな形式が採られました。
これにより、UGCが大量に生成され、ブランドの認知度向上と販売促進に大いに寄与しました。

Pokémon Goの活用法

一方、スマートフォンゲームの「Pokémon Go」では、ユーザーがゲーム内で撮影したスクリーンショットをSNSに投稿するという方法が採られました。
この手法により、UGCが大量に生み出され、ゲームの普及と共有が促進されました。これは新たなプレーヤーの獲得につながり、ゲームの成功をさらに後押ししました。
これらの事例から、UGCの適切な活用がブランドや製品、サービスへの認知度を向上させ、広範で効果的な露出を可能にすることが理解できます。
そして、それは結果的に消費者の購買意欲を刺激し、販売促進に寄与します。

 

4. UGCが抱える1つの課題

ユーザー生成コンテンツ(UGC)の利用には多くのメリットがある一方で、その品質と管理という課題も存在します。
すべてのUGCが必ずしもブランドにポジティブな影響を及ぼすとは限らないからです。

ブランドイメージにそぐわないコンテンツ

UGCの一つの課題は、その品質管理です。ユーザーから自由に投稿を受け付けると、その中にはブランドイメージにそぐわないものや不適切なコンテンツが混ざる可能性があります。
そのため、品質を確保するための具体的なガイドラインを設定することが重要となります。GoProは、ユーザーからの映像投稿を活用する際、明確なガイドラインを設けて、その品質を確保しています。

UGCの管理

また、UGCの管理も大きな課題の一つです。
UGCの量が増えると、その全てをチェックし、適切に管理することは困難となります。
そこで、投稿のモデレーションを行うことで、この問題を解決することが可能です。モデレーションには人間の審査員だけでなく、AIを利用した自動的なフィルタリングも有効です。
これらの対策により、UGCの課題を最小限に抑えつつ、その有効性を最大限に活用することが可能となります。

 

5. UGCを活用した戦略

UGCは多様な戦略で活用することが可能であり、その中でも特に効果的なのはブランド認知度の向上、コミュニティ形成、商品の信頼性向上です。
これらの戦略はUGCの本質的な特性を利用することで達成することができます。

ブランド認知度の向上

まず、UGCを活用することでブランド認知度を向上させることができます。
ユーザーが自らの体験や意見を共有することで、自然な形でブランドの存在が伝播し、広範囲の人々に認知されるようになります。
この戦略の成功例としてAppleの「Shot on iPhone」キャンペーンが挙げられます。
このキャンペーンでは、ユーザーがiPhoneで撮影した写真を投稿し、優れた作品がブランド公式からフィーチャーされました。これにより、iPhoneのカメラの高品質さを証明するとともに、Appleのブランド認知度も大幅に向上しました。

コミュニティの形成

次に、UGCを活用してコミュニティを形成することもできます。
同じブランドや製品を愛するユーザー同士が情報を共有する場を提供することで、ユーザー間のつながりを深め、強固なコミュニティを形成します。このコミュニティの存在がブランドへのロイヤルティを高め、結果的には持続的なビジネス成長をもたらします。

商品の信頼性向上

さらに、UGCは商品やサービスの信頼性を高める効果もあります。
消費者は一般的に、企業からの広告よりも他のユーザーの意見や体験に大きな信頼を寄せます。
このため、ユーザーが自らの経験を共有するUGCは、商品の信頼性を向上させ、他の潜在的な顧客への影響力をもつことになります。

 

まとめ

UGCは、ブランドとユーザーのコミュニケーションを強化し、信頼性の高い情報を提供し、ブランド認知度を向上させるなどの効果があります。
しかしながら、その管理と質の確保も重要です。
成功した事例を参考にしながら、自社のブランドや商品に最適なUGC戦略を立てることが求められます。UGCの可能性は無限大で、今後のマーケティング戦略において重要な役割を果たすでしょう。